「野安の電子遊戯攻防[実験室]:アタリショックは本当にあったか[その1]」
「野安の電子遊戯攻防[実験室]:アタリショックは本当にあったか[その2]」
シリーズ物で多分次回が完結編(回答編)のようです。
これを読んで私もアタリショックについて考えてみました。
アタリショックとは1983年にピークを迎えたアメリカのテレビゲーム市場(というよりもアタリVCS市場)が同年の末頃に急速に崩壊し、以後任天堂のNES登場までテレビゲーム市場自体が消えてしまったかのごとく停滞した出来事のです。そしてその理由は急速に膨れ上がったテレビゲーム市場に安易に殺到したゲームを作るノウハウを持っていない会社が安易に面白くないゲームを乱造し、粗悪なゲームソフトが市場に溢れかえる結果となった。このため消費者に「ゲームソフトなんかは面白くない」というイメージを強く植えつけてしまった。といったことが一般的に認識されています。
この一般的な認識に対して「もっと別の見方があるのでは?」ということでその内容は野安さんの
「野安の電子遊戯攻防[実験室]:アタリショックは本当にあったか[その1]」
からの一連の投稿を参照してください。
さて、ここからは私が認識しているアタリショックの更に別の要因について書いてみようと思います。それは、アメリカにおける流通界における商習慣の事情です。これは小売店からの返品とプライスプロテクションによるものです。(プライスプロテクションは安売りをしたらその差額をメーカーが補填しなければならないという恐ろしいものです。)
これは小売店で売れ行きが悪かったときのメーカーの負担が非常に大きいため体力のない会社の場合はあっという間に倒産してしまいます。つまり、儲かると思って殺到した会社はほとんどが倒産か撤退するしか道がないという背景があったと思われます。
そして、市場を支える立場のはずの当のアタリは人材の流出と「ハードで儲けず、ソフトで儲ける」思想が災いしてソフトによる収穫を待たずして分離解体されてしまいました。
いまのところ私の考えをまとめると
1)実力のない会社が市場に集まる
2)質の悪い製品が乱造される
3)売れないソフトが増大
面白いソフトが消費者に伝わりにくくなる
ソフトの安売り〜プライスプロテクションでメーカーを圧迫
ソフトの返品によりメーカーを圧迫
4)ゲーム市場からの客離れ(別の市場に収益を奪われる)
5)実力のない会社は倒産または撤退
ここで、実力のある会社だけが残るはずですが、返品&プライスプロテクションの影響で持ちこたえられずにほとんどがなくなってしまったか、または別の分野に行ってしまった。
こんなところかな〜。(あくまで私の想像です。ちょっと浅いかな。。。)
ちなみに、セガのジェネシス(メガドラ)時代の末期頃、既に日本ではサターンが出荷されていたにもかかわらずアメリカではジェネシスのソフトがまだ売れるからと...
結果、返品&プライスプロテクションでダメージを受け、アメリカでサターンの展開をする体力がなくなってしまったという話もありますね。(さらに、2002年にもやっちゃってますね)